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国分寺盆栽を作り上げた 生ける伝説 慶松園

地域と盆栽振興の世話役
高村雅子
高村雅子
盆栽妙 店長
  • 更新日:2022/8/25
  • 投稿日:2022/8/25
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国分寺盆栽を作り上げた 生ける伝説 慶松園 盆栽教室での指導役を務めるなど、盆栽の普及に尽力。針金かけの名人としても知られる吉原雅韶さんにお話を伺いました。

地域と盆栽振興の世話役

慶松園の黒松

国分寺地区の盆栽園はJR予讃線より北に密集していますが、「慶松園」は国道11号線より南にあります。 自動で水やりのできる装置を備えた600坪の棚場が、国道北側にもあります。

園主の吉原雅韶さんは、町会議員や国分寺盆栽部会の部長を務めてきた地域の世話役。国分寺グリーンフェスタの開催、15年の歳月かけて誕生した錦松の新品種「夢錦」の開発費の調達、国体開催時に盆栽を記念品に推すなど盆栽振興に力を尽くした人です。

針金掛けの名人としても名前があがり、盆栽イベントの針金掛け教室などでも指導をしてきました。

針金を巻いて整枝剪定する

吉原雅韶さん

針金かけ

こちらでは、針金掛けを施し育てた盆栽を年間250鉢ほど販売。昨年購入した五葉松300本は、今秋から針金を掛けて作り込み、盆栽センターに出す予定です。 作業場の壁には太さの違う針金が8種類。鉄線だったのが銅線やアルミ線に、針金素材も時代で変化してきました。吉原さんは鍛冶屋に作ってもらった幹や太い枝を曲げるオリジナルな道具も駆使し、樹高70ほどの松に迷いのない動きで針金を掛けていきます。

人の手ならではの個性的な技

黒松
「同じ形の樹はない。1本1本違う。人と一緒」と笑いつつ、針金を掛ける手は止まりません。「だから、盆栽の針金掛けは機械ではできない」ときっぱり。 「養分はまず木の一番上に行き、残ったら下におりてくる。ねじれるように流れていくので、枝の曲がりやすい向きがある。それを手の感覚で確かめながら巻いていく」と名人技を伝授。巻いた針金はだいたい2?3年で枝に食い込み、食い込み始めたら針金は切って外します。こうして枝を成形していきます。 盆栽はできるだけ樹形に自然さを表します。枝をどの向きに曲げ、どちらに伸ばすかに個性が出るため「整枝剪定を見るとだいたい誰が針金を掛けたかが分かる」と言うから驚きです。

直感でいい木に出会える

吉原さんは、盆栽の正面の見分け方や樹形構想なども惜しげなく教えます。「初心者は盆栽センターに行くといい」とアドバイス。「値段もハッキリしているし、直感で『いいなぁ』と感じる『生命感』の前で自然に足が止まる」と言います。 「手入れのコツなど、聞きたいことがあったら電話して下さい」。盆栽の名人は皆さん気さくで、オープンです。

この記事を書いた人

高村雅子
高村雅子
盆栽妙の店長 盆栽家。三重県鈴鹿の田舎生まれ。大学進学を機に大阪に出て卒業後は秘書として企業で働く。結婚して退職、子育てに奮闘。子供も大きくなり、自分の時間が持てるようになったので、かねてより大好きだった植物をもっと勉強するべく、盆栽の世界へ踏み入ることに。同郷の盆栽職人 太田重幸に師事し、盆栽の奥深さを修行した後、自宅で教室を開業。2007年にインターネット盆栽販売店 盆栽妙をオープンし、盆栽メルマガ登録数日本一に。盆栽はじめるサポートに日々奮闘中。

この記事のキーワード

  • 盆栽
  • 自然
  • 針金
  • 職人

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