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日本最大級の盆栽生産工場 綾松園

盆栽素材(原木)を作り盆栽職人に納める生産のプロフェッショナル。
高村雅子
高村雅子
盆栽妙 店長
  • 更新日:2022/8/23
  • 投稿日:2022/8/23
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日本最大級の盆栽生産工場 綾松園 国分寺の山側の広大な土地で盆栽の苗木を年間2万本以上生産する綾松園で園主の綾田さんにお話をお聞きしました。

素材=苗木を作る盆栽園

県道33号線、国分寺新居交差点より高松方向に2ほど。コンビニエンスストア前の道を山に向かった先に「綾松園」があります。見晴らしのよい山上の園。ここでは、接ぎ木を施し、松柏の苗木を増やしています。

2代目の綾田正人さんはJAの営農指導員を経て、45歳で父親が開園した同園を手伝い始め、13年目になるそうです。
盆栽には分野があり、「綾松園は素材をつくるところ」と正人さんは言います。
「盆栽の最初の段階のところで商っています。苗なので安く購入できますよ」と正人さん。多くの人に変わった品種を知ってもらいたい、まだ名前が付いていないような松も育ててもらいたい、と願います。

初代は「接ぎ木」名人

「接ぎ木の名手と聞きました」と尋ねると「父がね」と笑いつつ、「私はまだまだ見習い。父が接いだ松苗を鉢に植えたり、水やりをしたり。整枝剪定するのが私の役割」と、ビニールハウスに連れて行ってくれました。
そこには82歳になった正さんが黒松の台木に、この園で生まれた「千寿丸」の穂木を接いでいる最中でした。

接ぎ木は毎年4?5千本。正さんは約50年従事しているので「もう、何十万本接いでいるか分からない。頼まれた業者のところにも接ぎに行く。だから、まだまだ父に追いつけないんです」と正人さんは正さんを敬います。

大事な台木は種から育てる

台木と穂木の掃除、穂木を台木に接ぎ合わせポットに入れる、この一連の作業は5人の手を経て続きます。
「接ぎ木のコツは、台木と穂木の形成層をあわせること」と正さん。
黒松の根の際に切り目を入れ、そこに穂木を接ぎます。ハウスの奥には接ぎが完了し、土に植えこまれた松のポットがびっしり。その黒松の根元には接がれた「千寿丸」の葉先が土から顔を出していました。
ビニールハウスの外にも広がる松の畑。正さんが最も大事と語る「台木」になる松たちが種から育てられています。

「千寿丸」は綾松園生まれ

「千寿丸」は、同園の黒松に接いだ「寿」からの突然変異です。一枝だけ芽の数が多い「八ツ房」が生まれました。この黒松寿八ツ房は「千寿丸」と命名。
その親木から名人の手で次々と「千寿丸の苗木」が育っています。現在また、その原木に新たな突然変異の枝が伸びています。新種松の増殖が楽しみです。
綾松園(りょうしょうえん)

この記事を書いた人

高村雅子
高村雅子
盆栽妙の店長 盆栽家。三重県鈴鹿の田舎生まれ。大学進学を機に大阪に出て卒業後は秘書として企業で働く。結婚して退職、子育てに奮闘。子供も大きくなり、自分の時間が持てるようになったので、かねてより大好きだった植物をもっと勉強するべく、盆栽の世界へ踏み入ることに。同郷の盆栽職人 太田重幸に師事し、盆栽の奥深さを修行した後、自宅で教室を開業。2007年にインターネット盆栽販売店 盆栽妙をオープンし、盆栽メルマガ登録数日本一に。盆栽はじめるサポートに日々奮闘中。

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