盆栽に発生するのはどんな病害虫? 盆栽を健康に育てるために、種類と傾向を知っておこう!
- どんな病害虫が盆栽につきやすく、どういった傾向があるかを知ることで、対策も立てやすくなるはず。予備知識をつけて、盆栽につく菌や害虫から大切な盆栽を守ろう!
- 高村雅子
- 盆栽妙 店長
- 更新日:2022/8/25
- 投稿日:2022/8/25
- 基本の管理
目次
- 病害虫について
- 病害虫の発生のメカニズム
- 病害虫への一番の対策は予防
- 生育環境を整える
- 病害虫を防ぐポイント
- 病害虫による被害の症状
- 樹種別 病害虫とその対策
- 主な害虫一覧
- 病害虫が生じやすい樹種、生じにくい樹種
- 盆栽に発生しやすい病害虫まとめ
病害虫について
園芸用の植物、作物などは、野生のものを改良してきたので、自衛力が弱化し、病害虫に弱いものが多いのですが、盆栽の樹種は比較的野生のものが多く、丈夫なものが大半で、強健なものが多くなっています。
一般的な草花ほど気にすることはありませんが、盆栽は鉢という限られた条件下で生育しますので、一旦病気になったり、害虫が発生したりすると、処置の施しようがなくなってしまうことも多々あります。
少ない鉢土で生育しますので、根が十分に伸びず、日当たり、風通しなどがよくない環境であったり、天候不順が続いたりといった悪条件下では、病気や害虫の発生も多くなってきますので、管理面での十分な注意が必要です。
病害虫の発生のメカニズム
病害虫の発生には、
主因[病原菌:細菌・かびなど]、
素因[植物の性質・状態]、
誘因[生育環境、培養管理]
の三要因が揃うと生じると言われています。
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病害虫への一番の対策は予防
病害虫対策には、とにかく予防が一番大事です。そのためには樹の状態をよく知ることです。水やりをする際に、盆栽の状態をよく観察して、生育環境に気を配ると共に、盆栽に異変があればすぐ気が付くようにし、対策を立てられるようにしましょう。
普段から鉢内を清潔に保ち、水やり時でも、枯れた葉、変色した葉、咲き終わってしおれた花がら、雑草などをこまめに摘み取って、葉の裏にも虫が付いていないかチェックするようにして下さい。
盆栽周辺にある庭木や他の鉢植えなどからの落ち葉を放置しておきますと、虫や菌が繁殖しやすいので、注意しましょう。
葉を食い荒らす毛虫やシャクトリ虫などが落としたふんを、葉や鉢内、周辺などに見つけたら、発生元を見極め、被害を最小に抑えられるように、被害を受けた葉や虫を部分的に取ってしまうか、薬剤を散布するなど処置しましょう。
病気であれば殺菌剤を、取り除けない害虫には殺虫剤を散布して、株を消毒して下さい。
樹がどうしたら丈夫に育つかを考え、日当たり、通風などの生育環境と、水やりや施肥などをきちんと行うことが、病害虫予防の基本となります。
以下の点に注意し、病害虫予防のためにも植物を健康に育てましょう。
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生育環境を整える
盆栽の置き場所(※詳細は盆栽の置き場所についてを御覧下さい)、については別ページで詳しく説明していますが、以下のような生育に適した環境で栽培すれば病害虫を寄せ付けない丈夫な植物に育ちます。
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日当たりのいい場所に置く
基本的には、盆栽のほとんどの樹種が光を好む植物なので、置き場所もよく日が当たる場所が好ましいのですが、住環境により、日照の確保が適わない場合は、午前中だけでも日に当てて下さい。1日4時間程度でも、日の当たる場所に置くようにしましょう。
夏の強い日差しで、樹種によっては傷んでしまう場合がありますので、置き場所を工夫するか、遮光ネットによって盆栽を守ってあげましょう。
風通しがいい場所に置く
風通しが悪い場所ですと、湿気や熱がこもって、枝枯れ、根腐れ、病気等の原因になります。できるだけ周囲に障害物がない状態にし、建物や壁から離す、鉢と鉢の間隔を空ける、枝葉の量を調整するなど、風の通りがよいようにしてあげて下さい。
但し、ある程度風が抜けるような程度で問題ありません。強風すぎると、樹が倒れたり、枝が折れたりするなどして植物に傷が付く恐れがありますので注意が必要です。
培養管理に気を付ける
盆栽の管理の仕方については水やりの仕方(※詳細は水やりの仕方を御覧下さい)や肥料の施し方(※詳細は肥料の施し方を御覧下さい)については別ページで詳しく説明していますが、病害虫が付かないように以下のような培養管理の仕方に気を付けましょう。
水やりをきちんとする
盆栽の手入れにおいて一番大切とも言えるのが水やりです。水を与えない場合も与えすぎた場合も、植物は弱ってしまいます。
気候や地域、樹種、樹の大きさ、鉢の大きさ、樹齢など様々な要素によって水やりの仕方は違ってきます。それらを考慮した上で適切水やりをするようにしましょう。
水やりは、植物の状態を知るよい機会ですので、水やり時に害虫についても気を付けて見るようにしましょう。
肥料をきちんと与える
盆栽は、植物全般を縮景として限られた鉢内で小さく育てます。摂取できる水分、養分には限りがありますので、肥料も盆栽を健康に育てるために重要です。
肥料が少ないと発育が悪い場合もあり、多すぎると今度は枝葉が茂りすぎて日当たりや風通しに悪影響が出たり、肥料やけにより根が傷んだりしてしまいます。
必要な時期に必要な量の肥料を過不足なく与えるようにして下さい。
適した土を使用する
生育上、どの土でもいいというわけではありません。土は、植物の生育に必要な水や養分を吸収する土台の部分です。根の生育を促す、通気性や、保水性と排水性のバランスのよい清潔な土を選びましょう。
枯れた葉、花などはこまめに摘み取る
枯れた葉、花がらなどを放置しておくと、見た目の問題もありますが、何より腐食して、カビが生えてしまいます。また、花がらから種が付くと、種に養分が取られて、樹勢が弱くなってしまう場合があります。
落ち葉、雑草などもこまめに取る
落ち葉も放置しておくと、盆栽の見た目に影響するだけでなく、病害虫の温床ともなりかねません。また、落ち葉の下は温かいため、害虫の潜伏場所、長期間の放置ですと、越冬場所になる可能性があります。雑草も茂ると、樹勢が弱くなったり、病害虫の住み処となったりしますので取り除くようにして下さい。
適宜剪定・整枝をする
枝葉が混んできますと、重なり合って、日当たりや風通しが悪くなり、病害虫が発生しやすくなります。剪定・整枝することにより、見た目の美しさばかりでなく、日当たりと風通しをよくし、病害虫の繁殖を予防します。
定期的に植え替えをする
盆栽の鉢は小さいので、植え替えを怠ると、根詰まりを起こして、水や空気が通りにくくなってしまうだけでなく、根腐れや生育不良を起こし、樹勢が弱くなってしまいます。適宜植え替えをし、植物に負担のないようにしておきましょう。
植物に傷を付けない
病原菌は、植物の水孔(植物の葉の先端や縁にあって水を排出する小孔)、気孔(葉の表皮にある小さな孔)、傷などから侵入してきます。台風や強風、霜などでできた傷は病原菌の侵入経路となります。暴風や冬に備え、風よけや霜よけなどの対策をとりましょう。
培養管理の際も、不必要な傷を植物につけないように注意して下さい。
●よい苗・樹を選ぶ
病害虫予防は樹を選ぶところからはじまっています。病気、害虫の付着した苗であればあっという間に症状が拡大し、他の樹に広がっていくということも考えられます。
最悪の場合買って間もないうちに枯れてしまうということもありえます。
苗を選ぶ際は、よく観察して、病害虫のないものを選ぶようにしましょう。
背が高すぎるものや、葉や茎の色が白っぽくなっているものは、弱い株です。弱い株は、病気や害虫にかかりやすくなるので避けるようにしましょう。
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よい株・苗を選ぶポイント
・全体のバランスがよい
・樹勢がよく、葉がつやつやとしていて元気
・枝や茎に傷がない
必ず近くで見て、できれば180度、全方向から観察して
株・苗を選ぶようにしましょう。
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●事前に薬剤を散布する
生育環境を整え、適切な培養管理をすると共に、病害虫の発生時期に合わせて、定期的に薬剤散布をするようにしましょう。
病害虫が発生した場合、被害が他の盆栽に広まらないように、すぐに対処しましょう。対処が遅れると、被害が拡大してしまいます。
ホームセンター、園芸店、スーパーなどには症状によって、さまざまな消毒液や殺虫剤が販売されていますので、これらの市販の薬剤を利用して下さい。薬剤を使用する際は、使いすぎると樹を傷めてしまいます。使用方法をよく読んで、使用量や注意事項を守って正しく使用するようにしましょう。
多すぎて迷ってしまう、症状が幾つか出ていて選びきれないという場合は、お店の人に相談して購入するか、殺虫、殺菌、殺ダニ剤などが混合されており、そのまま植物にスプレーして使える、万能剤的なものを1本購入しておくと重宝します。
※対策、薬剤の詳細については病害虫の対策についてを御覧下さい。
病害虫を防ぐポイント
病害虫による被害の症状
病害虫には植物全体を蝕むものもあれば、葉、茎、根など部分的に症状が表れるものもあります。植物に表れる病状も、葉が枯れたり、黄色くなったり、白くなったり、斑点が出たりと様々です。
病気
病気の原因は、主に2つに分けられます。
1つはカビ、細菌、ウイルスなどの病原菌・病原体が感染し生じるもので、伝染性があります。植物の状態があまりよくない、病原気・病原体が発生しやすい条件が揃うと発生します。
他には、栽培環境、管理が不適切な場合に病気になります。「生理障害」と言われ、伝染性はありません。
「生理障害」で植物が弱ると、枝枯れ根腐れを起こし、病気の発生の原因になりますので、病気と「生理障害」が相互に作用している場合も多々あります。
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葉に症状が表れる
白くなる
うどんこ病
初期症状としては全体的に葉がうっすらと白くなり、段々濃くなっていき、葉や茎の表面がうどん粉をまぶしたように白いカビができます。葉の表面が覆われてしまうと光合成ができなくなったり、栄養がまわらず生育不良となってしまったりして、枯死することもあります。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌(しじょうきん)と言われるカビ。子嚢菌のウドンコカビ科の純活物寄生菌で生きた細胞にしか寄生しない「活物寄生菌」となります。
発生時期:4月?11月
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灰色になる
灰色かび病(ポトリチス病)
花弁に小さな斑点が表れたり、葉や茎、花弁などに灰色のかび(白くみえることも)が生じたりします。症状が進むと、病斑部分が灰色のかびで覆われて腐って、多発すると植物の生育状況が悪くなり、枯死してしまいます。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。ボトリチス属菌によります。発生時期:4月?11月
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黒くなる
すす病
初期症状としては、すすのようなカビが生えてきて、次第に拡大していき、枝葉がすすをかぶったように真っ黒になってしまいます。葉がすすで覆われてしまいますので、光合成ができなくなったり、生育不良に陥ったりします。
原因:主にカビだと言われていますが、発症の原因に大きく影響しているのは害虫。
発生時期:3月?11月
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炭疽(たんそ)病
初期段階では、葉、茎、枝に発生した場合は、褐色や灰色の粒状の斑点が生じます。次第にその斑点が葉全体へと広がり、広がるにつれて中心部が破れやすくなり、少しずつ穴があき、枯死してしまいます。実の場合は黒いすす状の斑点が全体に広がっていきます。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。子のう菌系の真菌である炭疽病菌。
発生時期:6月?7月、9月?10月
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葉枯れ病
発生初期は、葉先に褐色の比較的小さな斑点が生じ、次第にその斑点が拡大していき、褐色?灰褐色の病斑となります。病斑が融合していき、大きな病斑となって、やがて激しい葉枯れの症状を起こします。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。
発生時期:3月?11月
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斑点ができる
褐斑病
初期段階では淡褐色の小さな点が所々に表れます。症状が進むにつれてその斑点が大きくなっていき、黒褐色の輪紋と言われる輪っかのような模様になり、やがてたくさんの小さな黒い粒上や綿毛状の胞子の塊が出てきます。症状が出た箇所は徐々に黄色く変色して、落葉し、全体が枯れてしまいます。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。
発生時期:4月?10月
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さび病
[赤さび病]
初期段階では葉の裏に黄色っぽい小さな斑点が生じます。次第に拡大して、枝や茎に白色、褐色、黒色、黄色などの鉄さびのような盛り上がった病斑が表れ、病斑部分に亀裂が生じ、黄橙色か紫褐色の粉状の胞子が吹き出します。放置すれば枯死してしまいます。
[黒さび病]
葉の裏に褐色?黒褐色の小さな斑点が表れ、次第に拡大し、黒色?褐色の粉状の胞子を生じ、イボ状に盛り上がります。斑点が増えると斑点を中心とした円形状の病斑になり、多発すると葉の表面や茎に被害が拡大していきます。
[白さび病]
キクに発生する白さび病は、葉の裏に白い小さなイボ状のふくらみができ、葉の表側に淡黄色の斑点を多数生じます。イボが破れると白い粉が出ます。症状が拡大すると、葉の表面や茎、花弁、がくにもイボ状の病斑が表れます。
[葉さび病]
葉裏に黄褐色?黄橙色、橙赤色の小さなイボ状のふくらみができ、病斑の表面には黄色い粉を生じます。拡大すると葉裏全体が黄褐色の粉状のもので覆われます。気温が低下すると粉が消えて、病斑が暗褐色に変色し、拡大すると葉が枯れてしまいます。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。さび病菌の一種で、時期によって寄生する植物を替える異種寄生菌となります。生きた細胞にしか寄生しない「活物寄生菌」となります。
発生時期:赤さび病 5月?10月
黒さび病 4月?6月、9月?10月
白さび病 4月?6月、9月?10月
葉さび病 5月?10月
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赤星病
[バラ科の植物]
葉の表にオレンジ色の斑点が表れて、葉裏には毛羽立った丸い病斑が生じます。やがて、黄色くなったり、縮んだりして落葉します。症状が進むと、葉がたくさん落ちて生育状況が悪くなります。実物類では幼果に生じ、実が落ちることもあります。
[ヒノキ科の植物]
黄色い小さな斑点ができ、次第に盛り上がり、粉っぽい病斑を形成し、症状が進むと葉が枯れて、湿気が多いと、病斑からオレンジ色の茶褐色の塊ができ、雨で水分を含んでゼリー状になります。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。さび病気の一種によります。時期によって宿主を変える異種寄生菌。春?初夏はバラ科に、夏?翌春はヒノキ科に寄生します。
発生時期:バラ科 4月?6月
ヒノキ科 6月?翌春4月
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黒星病
主にバラ科植物の葉や実に発生します。初期段階では、葉に黒い斑点が生じ、それらが急速に拡大し、やがて斑点の表面に極めて小さな粒がたくさんでき、枝にも褐色のしみ状のものが生じます。実の場合も同様で、黒い斑点が生じてから全体に広がっていきます。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。病原菌の種類はさまざま、バラ黒星病は他の黒星病と病原菌が異なり、バラ同士でしか伝染しない
発生時期:5月?7月、9月?11月
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輪紋病
初期段階では、葉や茎に褐色の水紋状の小さな斑点が生じます。次第にその斑点が拡大していき、円形もしくは楕円形などの病斑となり、中心に同心輪紋ができます。多湿状態の樹の場合は、幹にビロード上のカビが発生します。ひどいと下葉から枯れていきます。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。
発生時期:5月?9月
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斑点病
葉や茎に小さな緑黒色の斑点が散らばって生じ、次第に拡大していき、中央部は灰白?白色に変わります。植物が生育不良を起こしたり、落葉したりします。他の斑点性の病気と違って、症状が出てすぐに落葉せず、冬を越し、春になってから枯れるという点です。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。
発生時期:3?11月
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ごま色斑点病
初期段階では葉に赤い小さな斑点ができ、次第に円形になり、形が崩れ、赤褐色から紫褐色、黒褐色などをした病斑を形成します。被害が進むと落葉し、樹勢も衰えます。病原菌は冬も被害部分に潜伏し、翌春生えてきた葉に伝染していきます。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。
発生時期:4月?10月
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肥大する・ふくれる
もち病
葉、芽、花が以上に膨れてとても目立つようになります。鑑賞上見苦しい上に、発症部分は最後には干からびてしぼんでしまい、黒褐色に枯れて発生が多い場合には植物が衰弱することもあります。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。担子菌類に属するエクソバシディウム属菌によります。
発生時期:5月?6月
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枝や幹に症状が出る
斑点が生じる
枝枯(えだがれ)病
枝梢に時発生します。若い枝や古い枝の一部に褐色の斑点が生じて、そこから枝全体を取り巻くように拡大していきます。病斑部から先の枝葉が枯死してしまいます。枯死した枝の表面には多数の盛り上がった黒い粒が表れます。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。
発生時期:4?10月
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癌腫病
枝や幹に褐色の細長い病斑ができます。病斑部分は膨らんで、表面はざらざらとしたかさぶた状になって、樹脂を分泌します。次第に病斑の樹皮があがれ、その部分がへこんで周り位が持ち上がって、褐色のこぶ上になります。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。
発生時期:5?10月
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胴枯病
樹皮の表面が少し膨れ上がって柔らかくなり、黒褐色に変色します。症状が進むと、健康な部分との堺に亀裂が起こり、長めの楕円形の赤褐色の病斑となります。その後、病斑の表面に多数の黒い斑点を形成し、樹皮綿はサメ肌状となります。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。
発生時期:5月?10月
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ならたけ病
樹皮のしたに褐色の病斑ができます。そこから亀裂ができ、樹液がにじみ出てきます。根や幹の樹皮を剥ぐと白い菌糸膜が見られ、さらに症状が進むと黒色のひも状の菌糸の束も見られます。樹勢が衰弱し、枝の枯れ込みが進んで枯死してしまいます。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。食用きのこのナラタケの菌糸。
発生時期:4月?10月
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腐爛(ふらん)病
枝に褐色の、少しへこんだ病斑ができ、次第に拡大していきます。病斑部分にはたくさんの小さな粒ができます。樹皮がはげやすくなり、アルコールの様な臭気を発します。多湿時には病斑の粒から粘着物が出てきます。病状が進むと病斑部から植えは枯死します。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。
発生時期:4月?6月、9月?10月
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カビが生える
コウヤク病
枝や幹にベッタリと塗り薬(コウヤク)を塗ったような症状が表れます。病斑の色は、黒褐色、茶色、灰色など様々で、多発すると樹勢が衰えます。この病気が出ることはカイガラムシの発生している証拠になります。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。セプトバシディウム属菌によります。
発生時期:4月?10月
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枝や茎が異常に密生する
てんぐ巣病
枝や茎の1箇所または株元から、小枝や小さな葉がたくさん生じます。枝の一部がこぶ状になって、どこから細い枝が多数発生しますが、枝分かれした部分には花はつきません。すぐにかれることはないですが、病巣が大きくなって樹勢が衰えていきます。
原因:樹木に感染→土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。タフリナ属菌によります。
草花に感染→ファイトプラズマという細菌
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根に症状が出る
白い菌糸が発生する
白絹(しらきぬ)病
初期段階での被害部分は株の周辺の地表面に絹糸状の白色の菌糸が発生します。その後、銀白色になり、茶褐色の栗粒大の球型をした菌核がたくさん生じます。その菌核が落下すると越冬し、翌年の主要な伝染源となります。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビやスクレロチウム、ロルフシなど。
発生時期:5月?10月
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白紋羽(しろもんぱ)病
白色?灰白色のカビがままとわりついて、淡褐色?暗褐色・灰白色などに変色して腐敗してしまいます。被害を受けた株は徐々に生育が悪くなり、萎れたり、落葉したりします。症状が進むと、菌糸が上へ上へと上がり、根が弱くなって折れてしまいます。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。フザリウム属菌により、生物の死体、排出物などを栄養源とする「死物寄生菌」が病原菌。
発生時期:3月?11月
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赤紫色の菌糸が発生する
紫紋羽病
赤紫色もしくは赤褐色の菌糸が網目状に付着し、次第に、植物の成育が悪くなり、花芽が多数できたり、実が小さくなったりするなどの症状が出ることもあります。根が腐って枯死してしまいます。症状が進むと植物が枯死してしまいます。
原因:土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。フザリウム属菌により、生物の死体、排出物などを栄養源とする「死物寄生菌」が病原菌。
発生時期:8月?10月
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根腐れ病
その名の通り根の腐る病気です。植物の根や地下部の茎に病菌が寄生し、寄生部が褐色になって腐ってしまいます。そのため、植物の生育は悪くなり、葉が黄化したり、たちがエレになったりします。根はぼろぼろになって抜けやすくなります。
原因:病菌によって生じる場合はフザリウム属菌、リゾクトニア属菌、疫病菌が原因。
発生時期:4月?10月
そのほか生理的現象 水やり、多肥などによるもの
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こぶができる
根頭癌腫(こんとうがんしゅ)病
主に根や株の際に大小のこぶができます。こぶの表面は細胞が死んで黒くなっており、形はごつごつしていますが、柔らかくてすぐにはがれます。こぶの下から新しいこぶが毎年盛り上がってきます。すぐに枯れることはないですが樹勢が弱くなります。
原因:植物病原細菌アグロバクテリウム・チュメファシエンスが原因。
発生時期:3月?10月
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こぶ病
樹の枝や幹に生じ、表面がさらさらして盛り上がった褐色、黒褐色、灰褐色のこぶが表れます。初期段階では豆粒状ですが、成長していくと握りこぶし大ほどになります。こぶの数が多くなると生育が悪くなり、枯死してしまう場合もあります。
原因:マツ→土や落ち葉などに潜んでいる糸状菌と言われるカビ。さび病菌の一種によります。
フジ、ヤマモモ、サクラ、レンギョウなど→細菌
発生時期:9月?12月
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害虫
その名の通り、植物に害をもたらす虫のことです。
主に2つに分けますと、「植物の汁を吸う」タイプと、「植物の葉、茎、枝、幹、根などを食害する」タイプです。害虫自体、害虫の出す排泄物によりウイルスを媒介するものもいます。
病害虫の兆候が表れた場合、症状を把握することが対策への一歩となりますので、きちんと見極めるようにしましょう。以下、主な症状と病害虫の種類となります。
葉に症状が出る
葉に穴があく、かじられている
アオムシ
一般的にはモンシロチョウの幼虫を指します。成虫は、主にアブラナ科の植物の葉に黄色い小さな卵を産みつけます。孵化した幼虫は身体が緑色で、葉を食べます。成長すると葉を食べ尽くしてしまいますので観賞価値が損なわれてしまいます。
発生時期:4?6月・9?11月
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コガネムシ
成虫は葉を葉脈だけ残して網目状に食べたり、花弁や花芯も同様に食べたります。幼虫は、夏から翌春にかけて細根を食べ荒らします。多く発生しますと、植物が生育不良に陥り、鑑賞価値が下がります。また、根の食害状況によっては枯死してしまう場合もあります。
発生時期:5?10月(幼虫は7?12月)
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ケムシ
種類は多く、種類によって形態や体色、発生の時期や回数、寄生する植物などが異なっています。若い幼虫は葉を食べ尽くしては移動していき、成長していくにつて、食害の範囲は広がっていきます。植物の生育状況は悪くなり、鑑賞価値も下がってしまいます。
発生時期:6月?9月
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ハバチ
ハチの仲間ですが、人を指したりはせず、成虫の腹部は黄色く黒い羽が特徴で、産卵管を茎に突き刺して卵を産み付けます。幼虫は主に若葉を好んで食べ、短期間で太い葉脈を残して食べ尽くしてしまいます。蕾や花まで食べることもあります。
発生時期:4?11月
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ミノムシ
垂れ下がった糸の先にミノがぶら下がっているのですが、比較的小型でミノが小枝製なのは「チャミノガ」、大型でミノが葉でできているものは「オオミノガ」という蛾の仲間です。羽化するまでミノをまとい、雑食性は高く、枝葉、樹皮などを食害します。
発生時期:チャミノガ 7月?11月
オオミノガ 6月?11月
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葉がかすり状になる
アザミウマ
花の害虫と言われていますが葉や実も食害します。葉が被害を受けた場合は、白色や褐色のかすり状の斑点が生じ、新芽の変形も起こります。花もかすり状になったり、しみが出たりします。症状が進むと、植物の生育は悪くなり、観賞価値も下がります。
発生時期:4月?10月
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グンバイムシ
平べったい小型の虫です。成虫、幼虫共に葉裏に寄生し、樹液を吸うため、葉の葉緑素がなくなり、白いかすり状の斑を生じます。被害が拡大すると、葉全体が白くなって枯れたり落ちたりし、生育状況が悪くなります。葉裏にヤニ状の黒い排泄物が付きます。
発生時期:4?11月
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コナジラミ
葉裏に寄生して汁を吸うため、葉の葉緑素が抜けて、白いカスリ状になります。発生量が多く、被害が進行すると、植物が枯死してしまうこともあります。関節被害として、排泄物の上にすす病が発生して、葉や実が黒くなり、あっという間に黒くなります。
発生時期:4?10月
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ハダニ
葉裏に寄生して、汁液を吸って養分を得ます。これにより、葉にカスリ状の小斑点が生じ、次第に全体に広がり、多いとクモの巣を張ったようになります。株全体に寄生すると被害に合った葉は褐色がかって、生気をなくし、落葉が進みます。ひどい場合は枯死します。
発生時期:5月?11月
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ヨトウムシ(夜盗虫)
夜の間に植物を食べるためこの名が付きました。黄緑色をした小さい幼虫は葉裏からの葉の表皮を残して食害するので、葉に白い斑点が生じ、葉肉部だけを食害するので、かすり状になります。褐色または黒褐色の成長した幼虫は、葉を穴だらけにして食い荒らします。
発生時期:幼虫は5?6月、9?11月
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葉が黄変する
アカダニ
繁殖力が高く、植物の裏に住みついて、葉の栄養を吸い取って生活します。吸われた部分は、初期段階では葉緑素がなくなって白くなり、やがて範囲が広がり、白い斑点のように見えます、松柏類が侵されると、葉が黄色くなってしまいます。
発生時期:3月?10月
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葉裏に小さい虫が付く
アブラムシ
害虫の中でもよく見られるものですが、その種類は非常に多く、形、体色、習性などさまざまです。新梢や新葉に群がり樹液を吸収します。寄生されると、生育不良になったり、葉が縮れたり、巻葉となったりるす他、排泄物によりすす病が発生することがあります。
発生時期:3月?12月
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葉が巻く
ハマキムシ
くるくると葉を丸めて中に隠れる習性があります。丸めた葉の中に住んで、成長と共に、葉やつぼみ、芽、実などを食害します。初期段階では、葉の表面が所々白く透けた状態になる程度ですが、被害が拡大すると、樹勢が衰えてしまいます。
発生時期:4?11月(※被害部内で越冬し、冬の暖かい日も食害を続けます)
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幹や枝に症状が表れる
貝殻状のものが付く
カイガラムシ
非常に種類が多く、種類によって体形や修正などが異なります。植物に寄生して幹、枝、葉などの汁を吸うために、樹の生育が悪くなり、被害が激しい場合は株や枝が枯れます。排泄物により、すす病が発生することがあると、樹の鑑賞価値が下がってしまいます。
発生時期:4月?11月
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幹や枝に穴があく
カミキリムシ
成虫は、若い枝の皮の部分を食害しながら、根元近くの樹皮の下に産卵します。幼虫は、はじめは樹皮の下を食害していますが、樹の内部に侵入し、縦穴を作りながら食害して樹を弱らせ、成虫となって飛び出す際には1cm大の穴を作るので観賞価値が下がります。
発生時期:5月?11月
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キクイムシ
成虫・幼虫共に樹の幹や枝に小さな穴をあけて侵入し、穴の中で腐朽菌(腐食による劣化をさせる菌)を培養し、産卵します。幼虫はその菌を食べて成長し、菌が樹木の中で繁殖するにつれ、生育が妨げられます。食害された部分から先の枝は枯れてしまいます。
発生時期:5月?8月
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シンクイムシ
主にメイガ科の幼虫を指す俗称。小枝や若枝、蕾、芯などを食害し、徐々に植物の深い部分に侵入して食い荒らします。樹が元気であっても枝先が垂れてきたら発生している恐れがあります。穴が空いて、フン、ヤニが出て被害部分は枯れたり腐ったりします。
発生時期:4月?11月
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ワタムシ
アブラムシ科に属し、全身が白い綿のようなもので覆われています。小枝が分かれている部分、幹や枝の切り口、新梢、枝の発生部分、根部などに群がって汁を吸います。被害部分には、突起(虫こぶ)が生じ、養水分の循環が悪くなってしまいます。
発生時期:6月?7月
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根に症状が表れる
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小さなコブができる
センチュウ
植物に寄生して害を与えるセンチュウ類を「植物寄生性センチュウ」と言います。多くは土の中に生息し、一般には根腐れを起こさせる「ネグサレセンチュウ」と、根に小さなコブを作る「ネコブセンチュウ」の被害が認知されています。
発生時期:3月?11月
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鉢中に潜んで害を与える
アリ
虫の死骸を好む黒いアリ(雑食性)と、植物や糖分のあるものに寄生するアブラムシが分泌する蜜を好む茶色っぽいアリ(吸蜜性)がいます。吸蜜性のアリは、鉢の中に巣を作って株ぎわや根にアブラムシを養ったりして直接的、間接的に被害をもたらします。
発生時期:6月?11月
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ナメクジ・カタツムリ
移動の際に粘液を出すので、這った跡は白っぽく光って筋が残ります。日中は、日光を避けて、日陰や石の下、鉢の下などにいることが多く、夜行性で、夜間に夜露に濡れた葉や花弁を食害します。寄生虫を宿している場合があるので、素手で触らないようにして下さい。
発生時期:3月?11月
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ダンゴムシ
落ち葉などを食べて微生物を分解しやすくしてくれますが、鉢底の穴から侵入し、葉や茎、花弁なども食べて食害してしまいます。湿気のある土や枯葉が積もっているような場所に植物が栽培されていると食べにやってきて、大量発生する場合もあります。
発生時期:5?10月
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ミミズ
ミミズ(フトミミズ)のいる土はいい土、とも言われます。実際、植物に対する食害はありませんが、ふんがくずれて団粒化し、鉢土の間隔を埋めてしまい、通水性、撥水性が不良になってしまいますので、鉢内に入れないようにする方がいいでしょう。
発生時期:5月?7月 9月?10月
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樹種別 病害虫とその対策
松柏類
他の樹種と比べて、病害虫は少なく、被害も少ないと言われています。
大きな被害を受けることは少ないですが、それでも稀に病害虫は発生します。
樹の性質か管理状態か、樹勢が弱っている樹は、被害も大きくなってしまいます。そうなると鑑賞価値が下がってしまいますので、注意して下さい。
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主な病気
赤枯れ病
スギやヒノキによく見られます。葉や枝が赤褐色になり、次第にこげ茶色になり、その上にたくさんの毛羽立った暗緑色のすす、かび状のものが生じます。幼苗木に発生することが多く、症状が進むと枯死に至ります。5月中旬頃から症状がではじめ、盛夏から症状が激しくなっていきます。
被害部分は取り去って、焼却して下さい。
マンネブ水和剤を散布することにより防除します。
赤星病
赤っぽい小さな斑点ができ、次第に盛り上がり、粉っぽい病斑を形成し、症状が進むと葉が枯れて、湿気が多いと、病斑からオレンジ色の茶褐色の塊ができ、雨で水分を含んでゼリー状になります。
初春にオーソサイド水和剤、マンネブダイセンM水和剤などを散布したり、冬期に石灰硫黄合剤などを散布したりして防除します。
すす葉かれ病(褐斑葉枯れる病)
赤松、黒松、五葉松に多く見られ、葉の中央部から先が褐色になり、次第に灰褐色になって枯れていきます。すぐに落葉したりしませんが、湿度の高い6月頃から病状がはっきりしてきます。
発生したら、葉を取り去って焼却します。
日当たりをよくして、排水に心がけ、管理予防をきちんとして下さい。また、石灰硫黄合剤、マンネブ水和剤、キノンドール水和剤などを散布して防除し、発生初期にも1、2ヶ月に1回程度散布するようにしましょう。
葉ふるい病
葉に淡褐色の病斑が生じ、症状が進むと落葉が激しくなることが特徴とされています。赤松や黒松などの樹勢をなくした樹がかかりやすい病気です。菌が原因で、楕円形で中央に割れ目のある黒い姿をしています。
発生したら、症状のある葉を取り去って焼却します。
生育環境を整え、高温多湿の時期位は、石灰流黄合剤やマンネブ水和剤、キノンドール水和剤などを散布して防除するようにします。
紫紋羽病
スギ、ヒノキなどによく見られ、アカマツやクロマツもかかります。根がカビに侵されて、カビが網目状に広がっていきます。症状が進むと、根が腐敗します。
防除するには土を消毒する以外にありません。
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主な害虫
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雑木類
病気はそれほど多くはありませんが、葉を食害する害虫がつきやすいです。
落葉樹が多く、夏の緑、秋の紅葉など四季を通じて楽しむというのは雑木類の持ち味ですので、葉を食害されると観賞価値が大幅に下がってしまいます。
病気が多くはないといえども、害虫によって引き起こされる、病気も発生してしまいますので注意が必要です。
主な病気
うどんこ病
初期段階では、葉の表に白いカビのようなものが生じ、やがて葉全体に拡大していきます。
梅雨の雨の多い時期に発生しやすく、雨が続くと薬剤散布ができず、被害が拡大してしまうことがあります。
晴れたときを狙って、ダイセン、石灰硫黄合剤などを散布します。
根腐病
根の腐る病気です。植物の根や地下部の茎に病菌が寄生し、寄生部が褐色になって腐ってしまいます。そのため、植物の生育は悪くなり、葉が黄化したり、たちがエレになったりします。根はぼろぼろになって抜けやすくなります。
症状が進むと株が枯死してしまいます。
オーソサイド水和剤、ベンレート水和剤などを散布します。
主な害虫
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花物類
他の樹種に比べ、病害虫についての注意が必要です。
花の咲く時期が最高の鑑賞期となりますが、木振り枝ぶりなども大事ですので病害中の予防、早期発見と対策をするようにしましょう。
病害虫によって花の鑑賞ができなくなる上、樹まで枯死してしまわないよう、適切な培養管理と防除のための薬剤散布を心がけて下さい。
主な病気
赤星病
葉の表にオレンジ色の斑点が表れて、葉裏には毛羽立った丸い病斑が生じます。やがて、黄色くなったり、縮んだりして落葉します。症状が進むと、葉がたくさん落ちて生育状況が悪くなります。実物類では幼果に生じ、実が落ちることもあります。
初春にオーソサイド、マンネブダイセンなど、冬期に石灰硫黄合剤などを散布して防除します。
褐斑病
だいたい秋から冬にかけて、淡褐色の小さな点が所々に表れます。症状が進むにつれてその斑点が大きくなっていき、黒褐色の輪紋と言われる輪っかのような模様になり、やがてたくさんの小さな黒い粒上や綿毛状の奉仕の塊が出てきます。症状が出た箇所は徐々に黄色く変色して、落葉し、全体が枯れてしまいます。
ダイセン、マンネブダイセン水和剤、石灰硫黄合剤などを散布します。
こうやく病
幹や枝にカビの菌糸が膏薬(こうやく)を塗ったように広がります。斑の色は、黒褐色、茶色、灰色など様々で、多発すると樹勢が衰えます。この病気が出ることはカイガラムシの発生している証拠になります。
防除は、冬の間に石灰流黄合剤を丁寧に散布するようにしましょう。
根頭癌腫病
根の傷から完成して根にコブを作ります。次第に土から上の部分の生育状況も悪くなり、養分が吸収できなくなって徐々に弱っていき、ひどくなると枯死してしまいます。
長寿梅、梅、桜木瓜(ボケ)、薔薇、などのバラ科樹種によく表れます。
病原菌が土中で生きていますので、被害部分を深めに切り取って焼却します。切り口には石灰硫黄合剤を塗ってから植えるようにします。
用土を変えて、被害がひどい場合は樹自体を焼却処分します。
予防にバクテローズを散布します。
縮葉(しゅくよう)病
主に葉に初防止マスが、稀に、花、新梢にも生じます。葉が黄色や赤色、火脹れ状の病斑が表れ、次第に全体が膨れ上がり、奇形化します。やがて、被害部分が黒色に変色して落葉します。葉が奇形化するのは、病原菌が植物成長ホルモンを分泌し生育異常を引き起こすためです。
被害部分は葉ごと摘み取って、焼却処分するようにしましょう。
発症してからでは花が咲かなくなってしまう場合もありますので、花が咲く前にオーソサイド、石灰黄合剤、ダイセン、ベンレートなどを散布して予防します。
せん孔性細菌病
葉、枝及び果実に発生します、初期段階では葉脈に沿って、1、2mmの褐色で少しへこんだ病斑が生じ、最終的には病斑が抜け落ちて、せん孔します。
他発すると、葉が黄変して早期に落葉して樹勢も弱くなります。
ストレプトマイシンのような抗生物質を散布します。
炭疽病
初期段階では、葉、茎、枝に発生した場合は、褐色や灰色の粒状の斑点が生じます。病斑部と健全部の境界は鮮明です。
次第にその斑点が葉全体へと広がり、広がるにつれて中心部が破れやすくなり、少しずつ穴があき、枯死してしまいます。実の場合は黒いすす状の斑点が全体に広がっていきます。
ダコニール、トリフミンなどを散布します。
根腐れ病
根の腐る病気です。植物の根や地下部の茎に病菌が寄生し、寄生部が褐色になって腐ってしまいます。そのため、植物の生育は悪くなり、葉が黄化したり、たちがエレになったりします。根はぼろぼろになって抜けやすくなります。
症状が進むと株が枯死してしまいます。
オーソサイド、ベンレートなどを散布します。
灰色かび病
葉や花目に淡褐色の不正系な斑点が生じ、やがて花弁、茎、葉が溶けるように腐っていき、灰色のカビに覆われてしまいます。梅雨時期に生じやすく、特に湿度の高い時期に発生しやすいです。
被害部分を取り除き、花柄もみつけたら摘み取ります。
ダコニール、ベニカXファインスプレーなどを散布します。
花腐れ菌核病
花や茎に発生します。初期段階では、花弁の基部が侵されて灰褐色となります。症状が
進むと、花弁全体、次に茎が侵され、上から下への病斑が拡大し、ひどくなると枯死してしまいます。花弁基部の内部や茎の表皮と木質部の間に黒っぽい豆粒ぐらいの菌核を形成します。
被害が生じた部分は取り除いて処分します。
トップジン、ベンレート、マンネブダイセンなどを花が咲く前に散布するようにしましょう。
もち病
葉、芽、花が以上に膨れてとても目立つようになります。鑑賞上見苦しい上に、発症部分は最後には干からびてしぼんでしまい、黒褐色に枯れて、発生が多い場合には植物が衰弱することもあります。多発すると、株全体が生育不良となり、翌年の花のつきにも悪影響を及ぼします。
発病部分を早期に取り除き、地中に埋めるかゴミとして処分し、これを1?2年徹底すれば発生がほぼなくなります。
被害部分を除去した上で、Zボルドー、ダコニール、オーソサイドなどを散布します。
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主な害虫
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実物類
花物類と同様、病害虫についての注意が必要です。
花の咲く時期、実のなる時期が最高の鑑賞期となりますので病害中の予防、早期発見と対策をするようにしましょう。
実物類には大変害虫がつきやすく、病害虫によって鑑賞価値が多大に損なわれることのないよう、適切な培養管理と防除のための薬剤散布をするようにしましょう。
主な病気
赤星病
葉の表にオレンジ色の斑点が表れて、葉裏には毛羽立った丸い病斑が生じます。やがて、黄色くなったり、縮んだりして落葉します。症状が進むと、葉がたくさん落ちて生育状況が悪くなります。実物類では幼果に生じ、実が落ちることもあります。
ナシ、リンゴ、カリン、ビワなどに寄生します。
初春にオーソサイド、マンネブダイセンなどを散布したり、冬期に石灰硫黄合剤などを散布したりして防除します。
うどんこ病
初期段階では、葉の表に白いカビのようなものが生じ、やがて葉全体に拡大していきます。葉の表面が覆われてしまうと光合成ができなくなったり、栄養がまわらず生育不良となってしまったりして、枯死することもあります。
梅雨の雨の多い時期に発生しやすく、雨が続くと薬剤散布ができず、被害が拡大してしまうことがあります。
晴れたときを狙って、ダイセン、石灰硫黄合剤などを散布します。
根頭癌腫病
根の傷から完成して根にコブを作ります。次第に土から上の部分の生育状況も悪くなり、養分が吸収できなくなって徐々に弱っていき、ひどくなると枯死してしまいます。
病原菌が土中で生きていますので、被害部分を深めに切り取って焼却します。切り口には石灰流黄合剤を塗ってから植えるようにします。
用土を変えて、被害がひどい場合は樹自体を焼却処分します。
バクテローズを散布します。
主な害虫一覧
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病害虫が生じやすい樹種、生じにくい樹種
盆栽でも、病害虫に侵されやすい樹、侵されると回復しにくい樹というのがあります。
一方病害虫が付きにくいものや、病害虫が付いても被害が軽くて済むものもあります。
病害虫が生じやすい樹種
病害虫が生じやすい樹種は、花物類、実物類で、ウメ、サクラ、ザクロ、フジ、サンザシなどがあります。
葉物類は枝葉を中心とした鑑賞となりますので、病害虫の被害も目立ちやすく、食害されて食い尽くされてしまえば、致命的です。
これらは、一旦病害虫に侵されてしまうと、回復がしにくく、あっという間に枯死してしまう場合もありますので、適切な培養管理を心がけ、盆栽をよく観察するようにしましょう。
病害虫が生じにくい樹種
やはり、前述のように、松柏類は樹が丈夫で樹勢も強く、比較的病害虫が付きにくいと言われています。
雑木類のカエデ、イチョウなどは病害虫に侵されても、回復が視野好き、甚大な被害になって枯死するというようなことはめったにありません。
いくら病害虫が付きにくいと行っても、湿気の多い梅雨時期や、新芽が出る頃には病気になったり、害虫が付きやすかったりするので、気を付けるようにして下さい。
盆栽に発生しやすい病害虫まとめ
盆栽の病害虫被害は、病気よりも害虫の方が圧倒的に多く、一番多いのは、アブラムシとカイガラムシです。
アブラムシは樹種を問わず生じやすく、繁殖力も強く、成長して羽が生えると、他の樹に移動もできます。
アブラムシは比較的薬剤が効きやすいのですが、カイガラムシは身体が硬い殻で覆われており、薬剤が効きにくく、見つけたら捕殺するのが最も有効な対処となっています。
ハマキムシやシンクイムシも新芽の時期から晩秋までに繁殖しやすく、松柏類、雑木類に寄生するワタムシもよく見られます。
ワタムシは初春に産卵して梅雨時期に大量発生し、樹を枯らしてしまうこともあります。ワタムシも身体が綿のようなもので覆われており、薬剤を散布しても効果が現れにくいです。薬剤を散布した後に、ピンセットで駆除するようにします。
ハダニもマツ、ウメなどに付くことが多く、大量発生すると、歯の色が変色したり枯れたりすることもあります。薬剤への耐性が比較的ありますので、薬剤を使用する場合はローテーションするようにします。
毛虫も、雑木類、花物類、実物類などに付き、葉を食害し、瞬く間に食べ尽くされることもあります。孵化直後は集団でいることが多くまとめて処分できます。成長すると薬剤の耐性が付きやすいので、発見次第、ピンセットや割り箸などで取り除いて駆除するようにしましょう。
鉢底に隠れ、夜間に活動しあっという間に新芽を食害してしまうナメクジも注意が必要です。
花物類、実物類に付きやすいグンバイムシや、テッポウムシ、コガネムシなどは見過ごしやすく、発見時には被害が進んでいる場合が多いので気を付けるようにしましょう。
コガネムシは盆栽の鉢の中に産卵し、幼虫時には鉢中の根を食害し、成虫になると花弁や蕾を食害します。
カミキリムシの幼虫であるテッポウムシは、樹の幹の中に潜んで食害します。樹皮下で活動し、幹に穴を開けます。グンバイムシは、葉の裏側に寄生し、葉裏から吸汁するため初期段階では見つけにくいことがあります。
盆栽が病害虫に侵されやすい一番の原因は、置き場所と培養管理です。
また、病害虫の防除、駆除を含め、適切な薬剤を適切な時期に散布することも重要です。
ここでも、病害虫への対策として、スミオチン乳剤、マラソン乳剤などをはじめ薬剤を取り上げましたが、薬剤やその他対策については『病害虫の対策について』で詳細を御覧下さい。
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この記事を書いた人
- 高村雅子
- 盆栽妙の店長 盆栽家。三重県鈴鹿の田舎生まれ。大学進学を機に大阪に出て卒業後は秘書として企業で働く。結婚して退職、子育てに奮闘。子供も大きくなり、自分の時間が持てるようになったので、かねてより大好きだった植物をもっと勉強するべく、盆栽の世界へ踏み入ることに。同郷の盆栽職人 太田重幸に師事し、盆栽の奥深さを修行した後、自宅で教室を開業。2007年にインターネット盆栽販売店 盆栽妙をオープンし、盆栽メルマガ登録数日本一に。盆栽はじめるサポートに日々奮闘中。
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