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熊谷園 深川達郎

赤石山のふもとで 未来を思う盆栽家
高村雅子
高村雅子
盆栽妙 店長
  • 更新日:2022/8/27
  • 投稿日:2022/8/27
  1. 職人
熊谷園  深川達郎

いい盆栽は種の選別から

赤石山のすぐそばにあり、赤石五葉松の原産地に最も近い園、熊谷園。熊谷園の特徴は種から作る実生の盆栽だ。盆栽向きの、短い葉を密に茂らせる葉性の良い親木を厳選したうえで盆栽を作っていく手法で、園には目利きを生かした良質の赤石五葉松がならんでいる。

山の緑に囲まれた盆栽園

赤石山の絶景を背景にたくさんの盆栽を管理しているのは園主の深川達郎さん。 主な取り扱い樹種はもちろん目の前の山取りした赤石五葉松である。ほかにも小品から大品の雑木も多く取り扱っており、管理している盆栽の数は約2000本。現在は基本的に水やりから植え替え、樹の剪定など一人で管理をしている。

深川さんと山 雑木の棚場 深川さん

職人としてのステップアップ

深川さんはおおらかで堅実な師匠の元に弟子入りして盆栽の世界に入った。目指す姿は、地元の方に頼られる人間、地域に貢献できる職人とのことだった。日頃の園の管理だけでなく、日々勉強と努力を重ねて目指す姿に一歩一歩近づいている。 賞をとれる盆栽をたくさん作っていくことも目標の一つである。すべての盆栽師の憧れともいえる、日本盆栽協会主催の国風盆栽展での受賞。深川さんもその憧れを抱く一人だ。
立派な盆栽になるよう先の姿を想像しながら樹の手入れをしている。話をしている姿は夢を語る少年のような笑顔、キラキラと目を輝かせていた。深川さんは水やりで樹に話しかけて魂を込めているようであった。

赤石山の山中で

繊細な盆栽をつくる深川さんだが、盆栽の世界を迷いなく突き進むその姿は力強くたくましい。広大な園を一人で管理しながら先人の研究をし、盆栽界の未来に思いをはせる。
赤石山に抱かれる立地の盆栽園で日々盆栽への愛情を注ぐ深川さん。これからの挑戦と進化に期待が膨らむ。

赤石山 作業場

熊谷園 深川達郎

熊谷園看板

住所
愛媛県四国中央市土居町上野甲3845
TEL
0896-74-3535

この記事を書いた人

高村雅子
高村雅子
盆栽妙の店長 盆栽家。三重県鈴鹿の田舎生まれ。大学進学を機に大阪に出て卒業後は秘書として企業で働く。結婚して退職、子育てに奮闘。子供も大きくなり、自分の時間が持てるようになったので、かねてより大好きだった植物をもっと勉強するべく、盆栽の世界へ踏み入ることに。同郷の盆栽職人 太田重幸に師事し、盆栽の奥深さを修行した後、自宅で教室を開業。2007年にインターネット盆栽販売店 盆栽妙をオープンし、盆栽メルマガ登録数日本一に。盆栽はじめるサポートに日々奮闘中。

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  • 四国中央市
  • 赤石五葉松
  • 生産地
  • 職人

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